今日はヴァレンタインデー。
チョコは食べましたか?
私は、友人からリリエンベルグのザッハートルテを頂きました。


神奈川県川崎市にあるウィーン菓子のお店です。
日本におけるウィーン菓子の第一人者である、横溝さんのお店です。

チョコレート入りの特製スポンジをジャムとチョコでコーティングしたシンプルなお菓子。
スポンジは基本的には軽く切れの良いスポンジ生地ですが、チョコが入ることで軽すぎず適度な重みがある食感です。

そして淡くチョコの香り。
その生地をまずアプリコットジャムでコーティング。
アプリコット自体の存在感は薄いですが、はちみつを思わせる濃厚さとかすかな酸味が淡いチョコスポンジを引き立てています。
そしてさらに特製のグラズールでコーティング。

見た目はチョココーティングですが、食べるとそうではないことに気が付きます。
秘密は、チョコレートに砂糖を煮詰めたあめが混ざっていることです。
食べるとチョコの味ですが、チョコ特有のまったり感が少ないです。
また、食感もあめが入っているのでじゃりじゃりしていて歯切れが良い。

とても洗練された味という印象でした。
濃厚なお菓子ではありませんが、とても印象に残りました。
上品で質の良い味わい、いくつかの味のポイントが全体をうまくまとめています。
そして、やはりバランスですね。
ジャンルは違えど、自分には出来ないけれども、とても勉強になります。
こんないい仕事が出来る職人になりたいですね!

ここで雑学を一つ紹介します。
実はザッハートルテは、2タイプ存在しています。
生地の微妙なニュアンスの違いやコーティングの厚さの違い。
それらは作り手によって出るありふれた違いです。
タイプを分けている決定的な違いは、ジャムをコーティング以外にサンドしてあるか否か。
リリエンベルグさんのザッハーは、コーティングのみです。
ちなみに新潟市のヒロクランツさんのザッハーは、サンドもしてあります。
皆さんはどちらがお好きですか?

横溝さんは、本場ウィーンのデメルで修業されたお方です。
デメルのザッハーはコーティングのみです。
同じくウィーンのホテル・ザッハーのそれはサンドにもジャムを使います。
違いの由来はそこにあります。
一応本家本元はホテル・ザッハーにあるそうです。
裁判にまで発展し、一応決着。
今はそれぞれがザッハートルテを出しています。
興味がある方は、もう少し詳しく調べてみると面白いかもしれません。
お菓子とは全く無縁の話になりますが。
個人的には、圧倒的にデメルが幅を利かせている印象です・・・
とにかく今は、単なる味の違いとして食べ比べると楽しいですよね。

私個人としては今まで食べたザッハートルテの中で一番美味しく感じました。
そして妻の提案により、赤ワインを開けて共に頂きました。
たまたま1本だけあった赤ワインでしたが、たまたま相性が良かったようです。
やはり、マリアージュって大事ですね!

本当にごちそうさまでした。